漢字ドリルの使い方

漢字を何回も書く…数十年前、自分が小学生の時も宿題でやった覚えがあります。「漢字ドリル」と言えば「くり返し書いて覚える」というイメージを抱いている方が大半ではないでしょうか。

漢字ドリルの構成は

①新出漢字(読み方・書き順・熟語など)

②漢字の読み問題(短い一文が20問)

③漢字の書き問題(②と同じ文がひらがなで)

と大体なっています。①で、書き順に注意しながらその漢字の全体を知り、使い方や熟語などを学びます。そして②では、その新出漢字を使っている文章が20問あり、「読みましょう」あるいは「読みがなを書きましょう」となっていると思います。ここではその漢字が正しく読めているかが大事であり、「文を(何回も)書きましょう」とはなっていないのです。続けて③では、②と同じ文がひらがなで書いてあり、「漢字で書きましょう」あるいは「漢字にしましょう」となっていると思います。ここでも、漢字や文を何回も書くようにとはなっていないはずです。

ですから、漢字ドリルの正しい使い方としては、②の文の漢字を読み、③のページを見て合っているか確認する(ていねいに取り組む場合は、ノートにその文章を写して読みがなをふり、③をみて〇付けする)。そして③は、小テストだと思ってノートに漢字を書き、②のページを見て〇付けをする、そして、分からなかった・間違えていた漢字を確認する。という流れになります。それを、2回か3回(ドリルの最後のページに記録するところがありますね)取り組むのが「漢字ドリル」なのです。

恥ずかしながら私も勘違いしていて、②の文を2回書き写し③の文を漢字にしながら2回書き写すような宿題を実際に出していたことがありました。

しかし、アウトプット型が良いことを知り、改めて漢字ドリルの使い方を再認識してからは、上記のような使い方で取り組むようにしました。すると、まず子どもは「何回も書き写す」ということから解放されるのでそれだけでも意欲的になり、また、このやり方のほうが漢字が身につくことが実感できるので、さらに意欲的に取り組むようになりました。実際の小テストでは、ほとんどの子が八割以上書くことができるようになりました。ですが、上記の練習でも、「③は②を丸写し」してしまう子や、〇付けが適当で自分の間違いがわからない子は、なかなか漢字を覚えることができませんでした。このことからも、「同じ回数写し書きをしても覚えられない」ことがわかりますし、「問題を解き、間違ったところを確認する」ことの有効性がわかるかと思います。慣れるまでは、担任やおうちの方が〇付けし、間違いを本人が直して覚えるようにする、そして少しずつでも自分でしっかりと〇付けできるようになると良いと思います。

もちろん、漢字をしっかりと書いて練習すること自体も大事なんです。上記のやり方の中で、間違えたり分からなかったりした漢字を、自主的に何回も練習して成績を伸ばしていた子もいました。また、ドリル以外にも「スキル」など違う手法のものもたくさんあります。漢字を覚えること自体が苦手な子は、また違うやり方もあると思います。要は、学級の子ども全員に一律同じようなやり方を強いるのではなく、いかに「効率よく」一人一人の学力を伸ばすのか、そこが大切だと考えています。

Studyell Muro

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