現職の時、私は、どの子にも一定以上の学習が身についてほしいと、「学校で一番宿題が多い」と言われるくらい宿題を出していました。そして、子どもが頑張ってきて出した以上は提出・返却までできるだけ早く対応するようにしていました。やってこない・出さない子には、その日のうちに学校で終わらせるように休み時間つきっきりでした。子どもたちも私のやり方に次第に慣れ、この先生の宿題はやれば身につく、家でやらなければ休み時間は遊べないと、ほとんどの子が毎日やってくるようになりました。
しかし、様々な学校事情を聴いていると、これがなかなかこうはならないようです。「宿題が多いと習い事に差し障る」「家でもたくさん勉強しなくちゃいけないなんて子供がかわいそう」「(宿題をやってなくても)休み時間は、遊ぶ時間にしてほしい」「もっと楽しい宿題は出せないのか。やる気にならないのは宿題のせい」などなど、昭和のおばさん(おばあさん?)としては、びっくりな保護者のご意見がたくさんくるそうです。
これは、第一に「効果的な宿題」を出していない学校側の責任もあると思います。テストが終わった後に計算ドリルを宿題にしたり、何でもいいから自学を毎日するようにしたり…。意味がなければやる気にもやらせる気にもなりません。
そして、もう一つには、おうちの方の「学校に求めるもの」「そもそも学校とは」などの考えが多様化していると思います。極端な例でいえば、「習い事が一番大事。学校は体を休める場所」(実際に、学校では月曜日が一番子どもたちが疲れていることが多かったです)「元気で楽しく過ごせれば、勉強なんてどうでもよい」(でも、授業時間が一番多いんですよ?)「預かってくれてればいいんだから、家庭に何でも求めないで」(保育園ではないんですが)などのご意見も…。このような多様な考え方が、30人の学級なら30人分あるわけです。
その上、校長や教育委員会は「学力を上げろ~」とプレッシャーをかけてくる。
このような状況なので、学校や先生方は迷走してしまい、何を一番大切にするのかをはっきりもつことができずにいる、あるいは何も考えていないのが現状だと思います。その中で、学校に適応できない子どもたちが不登校や問題行動に走ってしまうこともあるのではないでしょうか。
本当に、「学校」ってなんであるんでしょうね?
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